世界の発酵種
さて、世界には色々なパンの発酵種があります。
よく聞く発酵種ですとサワー種やパネトーネ種などがあり
種の性質によって風味・食感などが変わってきます。
それでは、世界にはどのような発酵種があるのでしょうか。
サワー種
サワー種とは
(出典:ベーカリー♪ベーカリー♪ )
小麦(主にライ麦)と水を混ぜ、発酵させたもの。その中には、乳酸菌・酵母・その土地の複数の微生物が入って培養されており、独特な酸味が特徴。
継ぎ足しをしている伝統的なパン屋さんでは、その風味が気温・湿度・微生物により変わっていくらしく、店ごとに味わいの違いが出るのだとか・・・
※種おこし・温度管理が結構大変です。
文化
ライ麦を使用して作るドイツパンは主にサワー種を使用しています。ライ麦内のグルテンは少なく、イースト菌を入れても発酵が著しいためサワー種の酸性を利用して、パン生地内のデンプンをゲル化し発酵させています。
サンフランシスコ名物の【サワードウ・ブレッド】もサワー種を使用。
(出典:はっちすたじお)
パネトーネ種
パネトーネ種とは
酵母と乳酸菌で作られた種。
※乳酸菌が多いのが特徴でサワー種の一種。
文化
有名なのが、イタリアの伝統的な発酵菓子【パネットーネ】
クリスマスに良く食べていますよね??
ルヴァン種
ルヴァン種とは
フランス語で【発酵種】と言います。
基本的にはフランスで使われている【パン種】になります。
※基本はサワー種ですが、酸味はそこまで出さない感じです。
果実種(天然酵母)
果実種とは
果実に付着しているパン酵母を発酵させたもの
パン酵母の好物は【糖】になりますので、果実がとても大好きなんです。
水と果実を1:1で漬け込み2~4日かけて発酵させて
果実を絞り、その汁に小麦粉を混ぜてパン種を作ります。
※果実にパン酵母が集まっているので、サワー種より簡単に作る事が出来ます。
酒種
酒種とは
お米・麹・水で作られた発酵種。
お米文化の日本特有の酵母になります。
文化
酒種酵母を使用しているとても有名なパン屋さんがあります。
あんぱんで有名な【木村屋総本店】
明治7年に開発された酒種あんぱんを今も作り続けています。
※酒種酵母の好物は【米】になります。
(出典:木村屋総本店)
ホップ種
ホップ種とは
ビールでおなじみの『あのホップ』です。
パン用の発酵種にするには、ホップを水に漬け煮立たせてからホップの汁を取り、そこにじゃがいも・リンゴなどをペーストにした状態の物を混ぜて、何日も寝かせ熟成させてから小麦粉とませて種を作ります。
※かなり手間がかかりますが、風味・味わいに深みが出ます。
歴史
今の時代のパン屋では、あまり使われていないホップ種。
明治前後、ロバートクラークさんという多分イケメンだった方が、イギリス本土からホップ種を持ち込み作られたとか。
このホップ種でパンを販売しているのが
横浜にあるウチキパンです。
ウチキパンは元々ロバートクラークさんが開業した横浜ベーカリーなんです。
今でも【イングランド】という山型食パンで人気の商品だそうです。
おじちゃんも昔に食べたことがありますが、
その味は!・・・
25年も前になりますので、覚えていないな〜
巷のパン屋さんでは
愛工舎さん(パン屋が使う機械を製造している会社)の
ルヴァンを使っている所が多いです。
おじちゃんのパン屋では、パンの種類にもよりますが
大体 2%~10% 入れています。
このルヴァンを入れることによって、風味・老化防止など様々な効果があります。
ちょっと手間になりますが、そこが美味しさの秘訣です。