パン屋の【秘密工場】

パン職人歴28年のベテランおじさんが、パン工場の秘密やパンの事などを紹介していきます。たまにパン以外の事も!

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世界のパン発酵種

 

 

世界の発酵種

て、世界には色々なパンの発酵種があります。

よく聞く発酵種ですとサワー種やパネトーネ種などがあり

種の性質によって風味・食感などが変わってきます。

 

それでは、世界にはどのような発酵種があるのでしょうか。

 

サワー種

サワー種とは

サワー種

 (出典:ベーカリー♪ベーカリー♪ 

小麦(主にライ麦)と水を混ぜ、発酵させたもの。その中には、乳酸菌・酵母・その土地の複数の微生物が入って培養されており、独特な酸味が特徴。

 

 

継ぎ足しをしている伝統的なパン屋さんでは、その風味が気温・湿度・微生物により変わっていくらしく、店ごとに味わいの違いが出るのだとか・・・

 ※種おこし・温度管理が結構大変です。

 

文化

ライ麦を使用して作るドイツパンは主にサワー種を使用しています。ライ麦内のグルテンは少なく、イースト菌を入れても発酵が著しいためサワー種の酸性を利用して、パン生地内のデンプンをゲル化し発酵させています。

 

サンフランシスコ名物の【サワードウ・ブレッド】もサワー種を使用。

 

サワードウ・ブレッド

(出典:はっちすたじお

パネトーネ種

パネトーネ種とは

酵母と乳酸菌で作られた種。

※乳酸菌が多いのが特徴でサワー種の一種。

 

文化

有名なのが、イタリアの伝統的な発酵菓子【パネットーネ

クリスマスに良く食べていますよね??

 

パネットーネ

パネットーネ

ルヴァン種

 ルヴァン種とは

 フランス語で【発酵種】と言います。

 

基本的にはフランスで使われている【パン種】になります。

※基本はサワー種ですが、酸味はそこまで出さない感じです。

 

 

果実種(天然酵母)

 果実種とは

果実に付着しているパン酵母を発酵させたもの

パン酵母の好物は【糖】になりますので、果実がとても大好きなんです。

 

水と果実を1:1で漬け込み2~4日かけて発酵させて

果実を絞り、その汁に小麦粉を混ぜてパン種を作ります。

 

ブドウ

ブドウからとるパン酵母

※果実にパン酵母が集まっているので、サワー種より簡単に作る事が出来ます。

 

酒種

 酒種とは

お米・麹・水で作られた発酵種。

お米文化の日本特有の酵母になります。

 

文化

酒種酵母を使用しているとても有名なパン屋さんがあります。

 

あんぱんで有名な【木村屋総本店】

明治7年に開発された酒種あんぱんを今も作り続けています。

 

※酒種酵母の好物は【米】になります。

 

酒種あんぱん

酒種あんぱん

(出典:木村屋総本店

 

ホップ種

ホップ種とは

ビールでおなじみの『あのホップ』です。

パン用の発酵種にするには、ホップを水に漬け煮立たせてからホップの汁を取り、そこにじゃがいも・リンゴなどをペーストにした状態の物を混ぜて、何日も寝かせ熟成させてから小麦粉とませて種を作ります。

※かなり手間がかかりますが、風味・味わいに深みが出ます。

 

歴史

の時代のパン屋では、あまり使われていないホップ種。

 

明治前後、ロバートクラークさんという多分イケメンだった方が、イギリス本土からホップ種を持ち込み作られたとか。

 

このホップ種でパンを販売しているのが

横浜にあるウチキパンです。

 

ウチキパンは元々ロバートクラークさんが開業した横浜ベーカリーなんです。

今でも【イングランド】という山型食パンで人気の商品だそうです。

 

じちゃんも昔に食べたことがありますが、

その味は!・・・

25年も前になりますので、覚えていないな〜

 

巷のパン屋さんでは

愛工舎さん(パン屋が使う機械を製造している会社)の

ルヴァンを使っている所が多いです。

パン機械

ルバン

 

おじちゃんのパン屋では、パンの種類にもよりますが

大体 2%~10% 入れています。

 

このルヴァンを入れることによって、風味・老化防止など様々な効果があります。

ちょっと手間になりますが、そこが美味しさの秘訣です。