お菓子のシベリアとは
「シベリア」という名前を聞いたことがある人はいますか?
昭和世代には甘食に続く懐かしい響きかも?
このお菓子、羊羹をカステラで挟んだという、とてもシンプルだけど懐かしい味わいを持つ。シベリアが初めて登場したのは明治末期から大正初期の頃とされていて、関東地方を中心に広まったと言われています。
シベリアの名前の由来
「シベリア」という独特な名前がついていますが、実はこれには複数諸説があります。
一説には、断面の羊羹の層がロシアのシベリア地方にある氷の層を連想させたからとも言われている。
他には、当時の流行りや地名が関係しているという説も。どちらにせよ、この名前がついたことで、シンプルなお菓子ながらも印象的な存在になりました。
一番有力な由来は・・・
カステラを雪原、羊羹をシベリア鉄道に見立てたと言われています。
戦後の人気と衰退
シベリアは、大正時代から昭和初期にかけて人気を博したお菓子ですが、戦後になると徐々に姿を消していきます。理由の一つには、洋菓子や他の新しいスイーツが普及したことが挙げられます。
ただ、完全に忘れ去られたわけではなく、今でも一部の地域や店舗で作られ続けています。
ジブリ映画でのシベリア復活!
シベリアが再び注目を浴びたのは、2013年に公開されたジブリ映画『風立ちぬ』の影響が大きいですね。この映画の中で、主人公がシベリアを食べるシーンが登場して、それをきっかけに、懐かしのお菓子としてメディアでも取り上げられるようになり、再ブームが起りました。
現在のシベリア
現在でもシベリアを販売しているお店がいくつか存在しています。
特に、老舗の和菓子屋や地域密着型のパン屋さんなどで見かけることがありますが、少ない・・・
一見すると派手さはないけど、羊羹とカステラの絶妙な組み合わせが、今でも多くの人に愛されていますね。
シベリアの有名店 コテイベーカリー
1916年(大正5年)創業の「コテイベーカリー」は、横浜・桜木町にある老舗パン屋で、昭和レトロな雰囲気とともに「シベリア」で有名なお店です。シベリアは、柔らかなカステラで羊羹を挟んだ菓子パンで、昭和の時代に広く親しまれました。この店のシベリアは特に軽い甘さとふわっとした口当たりが特徴で、シンプルながらも深い味わいが楽しめる逸品です。そのため、「シベリアの聖地」と称されることもあります。
その他の人気商品には、懐かしさを感じる「甘食」や、ジューシーなぶどうをたっぷり使用した「ぶどう食パン」があります。どのパンも、昔ながらの製法を守りつつ丁寧に作られており、どこか温かみを感じさせてくれます。
現在、店主夫妻は「1日でも長く、1個でも多くのシベリアを作り続けたい」との思いで営業を続けています。ただし、後継者がいないことから、将来的に店を閉じる予定とも語っています。だからこそ、今のうちにコテイベーカリーの味を楽しんでおきたいですね
お店はJR桜木町駅から徒歩3分という便利な立地にあります。横浜を訪れる際には、昭和の懐かしい味を楽しみに、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?